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SaaS営業モデルとは?BtoB SaaSの商習慣と特徴を解説

目次
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SaaSビジネスの営業では、売って終わりのモデルでは通用しません。LTVの最大化、チャーン防止、アップセルなど、契約後の継続的な価値提供を前提とした営業体制が求められます。

本記事では、BtoB SaaSにおける営業の基本構造から、分業体制(The Model型)の設計、各役割のKPI、体制強化のポイントまで、SaaS営業モデルの実践知を整理します。

BtoB SaaS営業モデルの全体像

BtoB SaaSにおける営業は、初回契約をゴールとせず、LTVの最大化を見据えて顧客と長期的に関係を築く「ライフサイクル型営業」の構造が基本です。アップセル・クロスセルを含めた複数タッチの商談が発生することを前提に、営業体制もそのモデルに合わせて設計される必要があります。

インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスが連携し、顧客の事業成長に伴走する体制が求められます。営業は商談創出だけでなく、「顧客の成功」を共創する存在としてファネル全体に関与。こうした複雑かつ継続的なプロセスを効率的に運用するために、多くのBtoB SaaS企業では、役割を機能ごとに分担する「分業型」の営業体制を採用しています。

The Model型営業組織とは

「The Model型」とは、主にBtoB SaaS企業における営業プロセスを「分業体制」で構築する営業モデルです。リード獲得から商談化、契約、オンボーディング、アップセル・継続支援までを、マーケティング(MA)/インサイドセールス(IS)/フィールドセールス(FS)/カスタマーサクセス(CS)といった専任ファンクションが分担します。

役割 担当領域 KPIの例
マーケティング(MA) リード創出/ナーチャリング MQL数、獲得単価(CPL)
インサイドセールス(IS) 初回接触/商談機会創出 商談化率、SQL数
フィールドセールス(FS) 提案/クロージング 受注率、平均単価
カスタマーサクセス(CS) オンボーディング/活用支援/継続 LTV、チャーン率

この構造の最大の利点は、各フェーズのKPI責任と役割分担を明確化することで、組織として成果をスケールさせやすい点にあります。

サブスクリプション型ビジネスの
特性

BtoB SaaSの多くはサブスクリプション(月額・年額)モデルを採用しており、「使い続けてもらう」ことが収益の前提となっています。SaaS営業においては、初回クロージングで終わるのではなく、LTV最大化やチャーン防止を見据えた、関係性ベースのアプローチが求められます。

とくに契約初期はオンボーディング支援などでコストが先行するため、継続利用やアップセルにつなげていく視点が不可欠です。営業は、成約後のプロダクト活用状況や利用データをもとに、タイムリーな価値提供と改善提案を行う役割も担います。

インサイドセールスと
フィールドセールスの分担

SaaS営業では、リード獲得から契約、定着・活用フェーズまでを分業によってスピードと効率を両立する体制が主流です。なかでも「インサイドセールス(内勤営業)」と「フィールドセールス(訪問営業)」の役割分担は、営業組織設計の要となります。両者の役割やファネル上の位置づけを理解し、自社の営業戦略や商材特性に応じて適切化していくことが、ファネル全体の効率や歩留まりを左右します。

テレワーク時代の
インサイドセールスが担う役割

インサイドセールスは、「初期接点の創出」「商談機会の醸成」を担っており、電話・メール・ウェビナーといった非対面チャネルでリード育成を行います。とくに、テレワークが常態化した今、地理的制約を受けずに迅速なアプローチが可能で、見込み顧客への反応速度が営業全体のリズムを決定づけるポジションにもなりつつあります。

また、CRMやSFAを活用したデータドリブンな運用が前提となるため、再現性のある営業モデルを構成する中核として、インサイドセールスは単なる前捌き役にとどまらない戦略的存在です。

フィールドセールスならではの
関係構築力

フィールドセールスは、商談フェーズの深化からクロージングまでを主導するポジションです。とくに、高単価で導入判断が複雑なBtoB商材では、その重要性が際立ちます。複数のステークホルダーと直接対話を重ね、信頼関係を丁寧に構築することで、社内合意を促しながら確実にクロージングへ導く力も、訪問営業ならではの強みです。

対面だからこそ伝わる熱量や安心感が最終判断に与える影響は、決して小さくありません。また、現場で得られる空気感や相手の反応から課題を深く捉え、提案の妥当性や納得感を高めることもできます。

SaaS営業におけるKPI設計の
ポイント

SaaS営業では、受注数だけをKPIに据えるのでは不十分です。継続率やアップセル、LTVなど、契約後の成果までを見越したライフサイクル全体の設計指標としてKPIを再定義する必要があります。営業・マーケ・CSが連携し、各ファネルに適切な指標を設定しながら改善サイクルを回すことで、成果の最大化が図れます。

ここでは代表的なKPIについて、3つの視点で整理します。

リード獲得数と商談化率

SaaS営業の上流では、リードの量だけでなく質が問われます。業界・企業規模・課題とのフィット感を見極め、受注確度の高いターゲットにフォーカスすることで、限られた営業リソースのROIを高められます。

商談化率は、インサイドセールスの初期KPIとして重要です。フォーム反響やコールド施策などの比較を通じて、チャネルごとの配分や改善方針の判断に活用できます。

受注率と平均単価

商談フェーズで注視すべき指標が「受注率」と「平均単価」。受注率が低い場合、ヒアリング力や提案の質、商談設計に課題があると考えられます。個々の営業スキルに加え、資料や競合比較表などの支援コンテンツも成果に直結する要素です。

一方、平均単価の把握はアップセル・クロスセル戦略の前提となります。セグメント別に商材構成や価格帯を見直すことで単価を高め、LTVの向上を図れます。

LTVとチャーンレート

SaaS営業における重要なポイントは「継続的な収益の最大化」。その中核となる指標が「LTV(顧客生涯価値)」と「チャーンレート(解約率)」です。LTVが高まれば初期投資を長期で回収でき、収益基盤の安定化が期待できます。

一方、チャーンが高いと営業効率は大きく低下。営業とカスタマーサクセスが連携し、オンボーディングから活用支援までを一貫して行うことで、解約を抑え、LTVの最大化につながります。

まとめ:
営業モデルの再設計が
求められる理由
SaaS営業に「再現性」と「分業体制」を

インバウンドの飽和や成長鈍化を迎えたSaaS企業にとって、営業戦略の見直しは避けられません。属人的な営業から脱却し、再現性のある営業モデルに進化させるには、ライフサイクル全体に対応した営業プロセスと役割分担が必要です。
特に、The Model型を基盤にした分業体制の構築や、仮説検証に基づく施策設計が、営業チャネルの再適切化とLTV最大化の鍵となります。
こうした再構築には、外部の営業代行パートナーを活用することで、スピードと精度の両立が可能になるケースも少なくありません。以下ではSaasに適した営業代行会社も紹介しています。合わせてご覧ください。

営業課題別
BtoB営業代行おすすめ3選

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